大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和42(オ)259 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理 由

上告代理人小林弥之助の上告理由第一点について。

上告人とDとの間の法律行為が通謀による虚偽表示に基づくもので無効である旨

の原審の認定・判断は、原判決挙示の証拠関係に照らしてこれを肯認することがで

き、その判断の過程に所論の違法はなく、論旨は理由がない。

同第二点について。

原判決は、上告人の被上告人に対する本訴請求についての判断において、上告人

とDとの間の本件土地賃貸借契約及び上告人のDに対する右契約解除の意思表示が

通謀による虚偽の意思表示で無効である旨判断しているのであつて、所論のように

右契約解除の効果が生じた旨判断しているものではないから、この点に関する原審

の判断に所論の違法はない。

同第三点について。

本件訴訟は通常の共同訴訟に過ぎないのであるから、上告人のDに対する判決の

既判力が被上告人に及ぶいわれはなく、原審の判断は正当である。論旨は理由がな

い。

同第四点について。

原審の確定した事実によれば、本件建物は、昭和一六年頃建築されたものであつ

て、昭和四〇年九月一日現在におけるその建物の状態については、これを部分的に

みるときは、その骨格部分ともいうべき土台、柱脚部及び外廻り壁下地板、屋根裏

下地板等に相当甚しい損耗があり、また、屋根瓦にも同程度の損耗があり、内部造

作材も老化しているが、同時に、また一個の構成物である建物全体としてみるとき

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は、自力によつて屋根を支え独立して地上に存在し、その内部への人の出入りに危

険を感ぜしめることはなく、局部的応急修理の上維持保全の処置を講じるならば建

物としての耐久力は安定且つ平衡性を維持し場合によつては増大される状態にあつ

て、いまだ建物としての社会的経済的効用を失う程度に至つていない、というので

あるから、本件建物は借地法にいう朽廃の程度には達していないものと解すべきであ

り、この点に関する原番の判断は正当である。論旨は理由がない。

よって、民訴法四〇一条、九五条、九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のと

おり判決する。

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 柏 原 語 六

裁判官 田 中 二 郎

裁判官 下 村 三 郎

裁判官 松 本 正 雄

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